2010年9月2日木曜日

Mariposaストーリー、スロベニア編


Posted on 09/1/10 by Luis Corrons

数週間前、スロベニア警察はMariposaボットネットの構築に使われたボットを販売していた数名を逮捕したと発表しました。その作者達は今年3月にスペインで逮捕されています。この時点から多くの錯綜したニュースがありましたが、真に力になってくれたPeter Lovsin氏のおかげで、私達はこの混乱に再度少し光を当てることが出来ました。

スロベニアにおける逮捕の後、警察は記者会見を行い情報を一部公開しました。
彼らは7軒の家を捜索し、そこで75台のコンピュータ機器(コンピュータ、ハードディスクなど)を押収し、2人の容疑者(23歳と24歳)を拘留したことを認めています。(スロベニアにおける警察の拘留期間は最大48時間)。その後彼らは釈放されましたが調査はまだ進行中です。逮捕者のうちの一人について、警察は彼がMariposaボットネットの構築に用いられた悪意あるソフトウェア(ButterflyBot)の作成者であるという容疑であるとしています。そして二件の重罪を調査していることを明らかにしました。
  • サイバー犯罪を可能にするツールの作成
  • マネーロンダリング
さらに詳しいいくつかの情報があります。スロベニア警察によって確認されてはいませんがメディアによって知られた情報によると、23歳の男性は主犯格のIserdoであると思われ、実生活ではスロベニアのマリボール出身のMatjaz Skorjancとして知られています。彼は落第した医学生で、父はマリボールの近くに電子機器の開発と販売を行う小さな会社を所有しています。彼の別名"Isardo"のスペルを逆さまにすると"Odresi"、これはスロベニア語で「取り戻す、救う」という意味です。

24歳のほうは女性と思われ、同じくマリボール出身のNusa Coh、IRCニックネームは"L0La"です。Isardoがボットの販売によって稼いだ金の少なくともいくらかはNusa Cohに払われていたようです。彼女はIsardoがどのように金を稼いでいるか知らなかったかもしれませんが。彼女はWestern Unionの送金で、MariposaのオーナーであるNetkairoをはじめとする別の人間からも金を受け取っていました。

(犯罪者達がなぜいつもWestern Unionを使うのかを知りたければ、数ヶ月前に書いたこちらの記事を読んで下さい)

調査の間、もうひとつの名前が挙がりました。Dejan Janzekovic、24歳です。彼もマリボール出身で、スロベニアのデータ通信およびISP(インターネットサービスプロバイダ)事業者"Amis" のシステムアドミニストレーターとして働いています。彼はいくつかのメディアによってIsardoと間違って取り上げられたので
あり、逮捕はされていません。彼はメディアに連絡を取り自分についての話を明かしました。警察は彼の家にも来ましたが、彼は逮捕もされていないため、どちらかというと被害者と言えそうです。彼は高校(2nd gymnasium Maribor)でNusa Coh (L0La)と同じクラスだったため、調査側はこの話を彼に結びつけたようです。Dejanは長い間彼女とは連絡を取っておらず、本物のIserdoが個人証明のために時々自分の写真を使っていたのだと話しました。

IserdoとL0Laが逮捕された週に、Butterflyボットの広告及び販売サイトはシャットダウンしました。覚えているでしょうか、数ヶ月前に私は そのサイトのスクリーンショットをいくつか紹介しました。しかし一週間後オンラインに復活したので、私はスクリーンショットをアップデートすることができました。
Butterfly Network Solutions
Butterfly Network Solutions 3

その数日後、スロベニアのCERT(SI-CERT: コンピュータ緊急対応チーム)は、このページのホスティング業者(West Hosting corp)に連絡を取りました。このページがそれ以来シャットダウンされていることからみると、彼らはその時点から協力的であったようです。

ただし良いニュースばかりではありません。私が知る限り、Mariposaの背後にいるNetkairoとOstiatorの2人共まだ何の刑罰も課せられておらず、鳥のように自由です。

もしあなたがNetkairoのルックスがどのようだか知りたければ、私は彼の公開されているFacebookアカウントを見つけたので、こちらで写真をチェックすることができます。これはスロベニアでの逮捕が行われた時に彼が書いたコメントです。

Netkairo

これはスペイン語の慣用表現で、考えが似た人達が集まることを意味する”Dios los cria y ellos se juntan”をもじったものですが、彼は最後のフレーズを"警察はそれを積み上げる"に変えています。(神は一緒に育て彼らは集まる --> 神は一緒に育て...警察はそれを積み上げる)

とにかく、私はもっと良いニュースが近い将来発表されることを期待しています。Iserdoが売った数百のボットが作った数百のボットネットをダウンさせることができるからです。哀れむことなく最後まで彼らにつきまとうこと、これこそがサイバー犯罪を終わらせる方法です。

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